「大会で初めて審判を担当することになったけど、スコアシートの書き方が全然分からない」「得点の記録を間違えてしまって試合が止まってしまった」「コールの仕方が分からなくて声が出なかった」——ソフトテニスの審判・スコア記録は、初心者にとって最もハードルが高い作業の一つです。

しかし、正しく理解すれば決して難しくありません。スコアシートのルールと審判のコールをしっかり覚えておくことは、プレーヤーとしての理解を深めるためにも非常に重要です。試合のルールを審判側から理解することで、自分のプレーの判断も速く正確になります。

この記事では、ソフトテニスのスコアシートの書き方と審判のやり方を、初心者でも迷わないよう完全解説します。

📊 ソフトテニスの得点システムを理解する

スコアを正確に記録するためには、まずソフトテニスの得点システムを正確に理解することが必須です。

基本の得点単位

ソフトテニスの得点は「ポイント→ゲーム→セット(マッチ)」の3段階で構成されます。

  • ポイント:1球ごとの得点。1ポイント取るとサービス側が有利になる
  • ゲーム:4ポイント先取でゲーム獲得(デュースあり)。ただし公式戦ではノーアドバンテージ(ノーアド)が多い
  • セット:一般的に7ゲーム(または4ゲーム)先取でセット勝利。マッチは2セット先取が標準

ノーアドバンテージ方式(主流ルール)

現在の公式大会の多くではノーアドバンテージ(ノーアド)方式が採用されています。

  • 3-3(デュース)になった場合、次の1本を取ったほうがゲームを獲得
  • レシーブ側がどちらのコートでレシーブするかを選択できる
  • タイブレークは7点先取(6-6の場合は7-6まで続く)

試合形式の種類

  • 通常のリーグ戦・大会:4ゲーム先取または7ゲーム先取。大会規定により異なる
  • タイブレーク:各セット6-6(または3-3)になった場合に行うタイブレークゲーム
  • ファイナルセット:1セット1セット取った場合、第3セットを行う(コートチェンジは3ゲームごと)

🎯 試合前に確認すべきこと

大会によってルールが異なります。審判を担当する前に必ず「何ゲーム先取か」「ノーアドかアドバンテージかか」「タイブレークの点数」「コートチェンジのタイミング」を確認してください。大会本部や審判長に確認するのが確実です。

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✏️ スコアシートの記号・書き方

スコアシートに記入する記号は、大会・団体によって若干異なりますが、基本的な記号は共通しています。以下が主要な記号の一覧です。

得点(サービス側)
サービス側(サーバー)がポイントを取ったときに記入
得点(レシーブ側)
レシーブ側がポイントを取ったときに記入
フォルト
ファーストサービスがフォルトのときに記入(セカンドへ)
✕✕
ダブルフォルト
セカンドもフォルトになった場合。レシーブ側の得点になる
サービスチェンジ
サービス権が移ったことを示す矢印(左右のどちらかへ)
C
コートチェンジ
コートチェンジが発生したゲームに記入
W
ウォークオーバー
相手が棄権・不戦敗になった場合
R
リタイア
試合中に選手が棄権した場合

記入の基本ルール

  • ポイントは左から右へ順に記入する(1ゲームの流れが分かるように)
  • ゲームが終わったら、そのゲームの獲得者に○を付ける欄に記入する
  • セットが終わったらセット獲得数の欄に記入する
  • 間違えた場合は二重線で消して訂正し、両審判・選手が確認してサインする
  • 鉛筆またはボールペンで記入する(消えないように)

📝 スコアシートの記入例

実際のゲームを例に、スコアシートの記入方法を見てみましょう。以下は1ゲームの記入例です。

例:Aチーム(サービス側)vs Bチーム(レシーブ側)の1ゲーム

ポイント経過 12345G
Aチーム
Bチーム

→ この場合 3-2 でAチームがゲーム獲得(ノーアド方式、3-3デュース後は1本勝負)

ゲームスコアの記入方法

ゲームごとのスコアは、そのゲームの最終ポイントスコアをゲーム欄に記入します。例えば4-2でゲームを獲得した場合は「4-2」と記入します。ノーアド方式の場合は3-3デュースからの決定ポイントも記録します。

セット終了時の記入

  • セットが終わったら「セットスコア」の欄に両チームのゲーム数を記入
  • 例:Aチームが4-2でセット獲得の場合、「A:4 B:2」と記入
  • タイブレークになった場合は「(7-5)」などのように括弧内にタイブレークのスコアを記入

👨‍⚖️ 審判の役割と試合の進め方

審判(ラインジャッジ・チェアアンパイア)の主な役割は「得点の管理・コールの実施・ルールの適用」です。公平で迅速な判断が求められます。

試合開始前の審判の作業

1

選手の確認とトス

両ペアの選手名を確認してスコアシートに記入。コイントスで「サービス」か「コート」を選択する権利を決める。勝ったほうが選択し、負けたほうは残った選択肢から選ぶ。

2

ウォームアップの管理

一般的に3〜5分のウォームアップ時間が与えられる。時間を計測して「ウォームアップ終了1分前」「終了」のコールを行う。

3

試合開始のコール

「Aチーム○○ペア対Bチーム○○ペア。ゲームスタート!」(または「プレー!」)とコールして試合を開始する。

試合中の審判の作業

  • 各ポイント終了後にスコアをコールする
  • フォルト・アウト・インの判定をコールする
  • コートチェンジのタイミングを管理し、アナウンスする
  • 選手の行動規範違反があれば警告を行う
  • 天候・照明等の問題で試合中断が必要な場合は適切に対応する

📢 審判のコール一覧

審判のコールは選手・観客に聞こえる明瞭な声で行います。以下が主要なコールの一覧です。

状況 コール(例) タイミング・注意点
試合開始 「プレー!」 ウォームアップ終了後、両選手の準備が整ったことを確認してから
サービスフォルト 「フォルト!」 サービスがフォルトになった直後。ファーストフォルト後はセカンドサービスへ
ダブルフォルト 「ダブルフォルト、○○(得点)!」 セカンドもフォルトになった直後。レシーブ側の得点を宣言する
インプレーの得点 「○○(得点スコア)!」 例:「3対1!」。サービス側の点数を先に言う(慣習)
デュース(ノーアド) 「3オール、レシーブチョイス!」 レシーブ側がサービスコートを選択する旨を伝える
ゲーム終了 「ゲーム、○○チーム! ○対○!」 ゲームを獲得したチームを宣言し、現在のゲームスコアをコール
コートチェンジ 「コートチェンジ!」 所定のゲーム数に達したとき。選手は1分30秒以内にチェンジを完了
セット終了 「セット、○○チーム! ○セット○!」 セットを獲得したチームと現在のセットスコアをコール
試合終了 「ゲーム・セット・マッチ、○○チーム!」 マッチ(試合)の勝者を宣言する。最も重要なコール
レット(やり直し) 「レット!」 サービスがネットに当たってインした場合など。ポイントはやり直し
アウト 「アウト!」 ボールがコートの外に出た直後にコール。明確に声を出す
試合中断 「ストップ!」 天候・怪我・コート上の問題など試合を中断する必要があるとき

🎯 審判のコールを上手にするコツ

コールは「はっきり・大きく・素早く」が基本です。迷ったときは黙ってしまわず、確認のために一瞬間を置いてからコールしましょう。特に「アウト」のコールは遅すぎると選手が混乱します。もし自分の判断が間違っていたと気づいた場合は、すぐに「コレクション!」とコールして訂正します。毅然とした態度で公平に判断することが審判の最大の役割です。

⚠️ よくある審判ミスと対処法

初めて審判をする方が陥りやすいミスと、その対処法を紹介します。

❌ よくある審判ミス5つ

  • スコアを間違えて記録してしまった:気づいた時点ですぐに選手・副審に確認して訂正。スコアシートに二重線+訂正記入し両者サイン。
  • コートチェンジのタイミングを忘れた:事前にどのゲーム数でコートチェンジかを確認しておく。スコアシートに事前にメモしておくと忘れにくい。
  • デュースのコールを間違えた:3-3のときに「デュース!」とコールしてしまう場合(ノーアド方式では「3オール、レシーブチョイス!」が正しい)。大会規定を事前に確認する。
  • アウトかインか判断できなかった:ラインのぎりぎりの球は「イン(セーフ)」を原則にする。明らかにアウトと判断できなければコールしない。
  • 選手の異議申し立てに動揺した:選手が判定に異議を唱えても毅然とした態度を保つ。判断に迷うときは「レフェリーを呼ぶ」と伝えて大会審判長に相談する。

選手から「アウトでは?」と言われたとき

審判の判断に疑義が生じた場合の対応手順:

  1. 冷静に「私の判断では○○です」と自分の判定を明確に伝える
  2. それでも選手が納得しない場合は「審判長(レフェリー)を呼びましょうか」と提案
  3. 審判長の判断に両者が従う

審判は間違いを認めることも大切ですが、自分の判断に確信がある場合は毅然と維持してください。選手への配慮から無原則に変更することは公平性を損ないます。

🔄 サービス順とコートチェンジの管理

サービス順の管理は審判の最重要業務の一つです。間違えると試合全体が混乱します。

サービス順の基本ルール

  • ゲームが終わるたびに、サービス権が相手チームに移る
  • 1セット内での各ペアのサービスゲーム数は均等になるように設計されている
  • タイブレークのサービス順は別途ルールがある(最初のサービス→1ポイントごとに交代)

コートチェンジのタイミング

  • 7ゲームセット:第1セットは1・3・5ゲーム後、第2セットは7ゲーム合計が奇数になるゲーム後
  • 4ゲームセット(コミ大会等):第1セットは1ゲーム後・3ゲーム後、ファイナルセットは3ゲームに1回
  • タイブレーク中:6ポイントごとにコートチェンジ

🎯 審判経験者からの実践的アドバイス

審判初心者は「コールの声を大きく出すこと」に最初は慣れないものです。しかし、聞こえない声のコールは選手に混乱をもたらします。恥ずかしがらずに、コートの隅まで届く声でコールしてください。また、スコアシートはゲームが終わるたびに必ず記入し、溜めないことが大切です。ポイントを溜めて後から記入しようとすると必ず間違えます。1ポイントごとにリアルタイムで記録する習慣を持ってください。

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❓ よくある質問Q&A

Q1
スコアシートを書き間違えた場合、どうすればいいですか?
A:気づいた時点で速やかに訂正します。間違えた箇所を二重線で消し(修正液は使わない)、正しいスコアを記入します。両チームの選手と副審(いれば)に確認してもらい、その場でサインまたはイニシャルを記入してもらいます。重要なのは「黙って直す」ことなく、透明性を持って対処すること。もし大きな誤りの場合は審判長に報告して指示を仰いでください。
Q2
サービスが「イン」か「アウト」か判断できなかったとき、どうコールすればいいですか?
A:判断できなかった場合は「インプレー(セーフ)」として扱うのが原則です。ソフトテニスのルールでは、ボールがラインの内側か外側かを判断できなかった場合は、選手に有利な判定(イン)を適用します。コールを迷って黙ってしまうと選手が混乱するため、「イン」または「フォルト」のどちらかを明確にコールすることが大切です。試合後に選手から「あの判定は?」と聞かれた場合は、「私の判断では○○でした」と正直に伝えてください。
Q3
ノーアドバンテージとアドバンテージの違いは何ですか?
A:得点が3-3(デュース)になったときの処理が異なります。アドバンテージ方式では、デュース後に2ポイント差がついた方がゲームを獲得する従来方式です。一方、ノーアドバンテージ(ノーアド)方式では、デュース後の次の1ポイントを取った方がゲームを獲得します。その際、レシーブ側がサービスを受けるコート(アドコートかデュースコート)を選択できます。現在の全国大会ではノーアド方式が主流ですが、大会によって異なるため、試合前に確認しておくことが大切です。
Q4
レットとはどんな状況で宣言するのですか?
A:レットはポイントを「やり直し」にする宣言です。主な発生状況は①サービスがネットのテープに当たってサービスコートに入った場合(サービスレット)、②インプレー中に外部から人やボールがコートに入った場合、③選手が相手の邪魔になるような状況で打ってしまった場合などです。サービスレットの場合はファーストかセカンドかに関わらず、そのサービスをやり直します(ファーストフォルト後のセカンドでレットが発生した場合はセカンドからやり直し)。レットが宣言された場合は「レット!」とコールして選手に知らせます。