「バックハンドがどうしても入らない」「バック側に来たら逃げてしまう」「相手に弱点を狙われ続けて困っている」——ソフトテニスのバックハンドは、多くの選手が長年抱える最大の悩みです。しかし、バックハンドを武器にしている選手は試合での選択肢が倍以上になります。この記事では、バックハンドが苦手な人が根本的に改善するためのコツと練習法を、段階を追って完全解説します。
🤔 バックハンドが難しい本当の理由
バックハンドが苦手な選手が多い理由は「バックハンドが本質的に難しいから」ではありません。正しく理解すると、苦手を克服するための糸口が見えてきます。
① 練習量の圧倒的な少なさ:ラリー練習でも試合でも、フォアハンドの打球数はバックハンドの3〜5倍になることが多いです。単純に練習量が少ないため、体が慣れていないのが最大の原因です。
② 利き手側の筋力が活用できない:フォアハンドは利き手の筋力を活かして打てますが、バックハンドは利き手の逆側の動きになるため、同じ力を発揮することが物理的に難しいです。ただし、体幹の回転を利用することで筋力の差は補えます。
③ 心理的な回避行動:バックに来たらフォアに回り込もうとする癖がつくと、ますますバックハンドの練習機会が減ります。「バックが来たら積極的に打つ」という意識改革が必要です。
バックハンドが苦手な選手ほど、実は「バックに来たら相手の思うつぼ」という状況を自ら作り出しています。バックハンドの安定は、相手の戦術を封じる最大の防御になるのです。
✋ バックハンドのグリップの持ち方
バックハンドの最初の関門がグリップです。フォアハンドと同じグリップでバックハンドを打っている選手は、まずグリップから見直しましょう。
ソフトテニスのバックハンドでは一般的にコンチネンタルグリップ〜イースタングリップ(バック寄り)が推奨されます。
コンチネンタルグリップ:ラケットのグリップの上面に人差し指の付け根を当てて握る方法です。フォアとバックの両方で使いやすく、グリップチェンジ(持ち替え)をしやすい特徴があります。
バックイースタングリップ:ラケット面を外側(バック側)に向けた状態で自然に握る方法です。バックハンドのパワーが出やすく、安定したスピンがかけやすいです。
フォアハンドのウエスタングリップから持ち替える場合、グリップを少し外向きに回して持ち直します。この持ち替えをスムーズに行えるよう、日頃から意識的に練習することが大切です。
グリップチェンジは「準備段階(テイクバック中)」に行う。ボールが来てからでは遅い
🦵 構え・スタンスの作り方
バックハンドで安定して打つためには、体の向きと足の構えが非常に重要です。
1
横向きに体を向ける(サイドスタンス)
バックハンドの最大のコツは「体を横に向けること」です。フォアハンドと違い、体が正面を向いたまま打とうとするとラケットが出てきません。利き手の逆側の肩を相手コートに向け、体の横向きを作ってから打ちます。
「バック側に来たら即座に横向きになる」習慣が最重要
2
早めのテイクバックを完了させる
バックハンドのミスの多くは「テイクバックが遅い」ことが原因です。ボールがバック側に飛んできたと判断した瞬間に、体の回転と同時にテイクバックを開始します。ボールが自分のところに来てからテイクバックを始めるのでは遅すぎます。
3
打点を体の前に取る
バックハンドでよくあるミスが「打点が体より後ろになること」です。体より後ろで打つと力が入らず、コントロールも安定しません。必ず体の前(利き手側の腰の前あたり)でボールを捉えることを意識します。
「ボールを迎えに行く」感覚で前に打点を作る
4
重心を低くして安定させる
低いボールへの対応や横への動きに備えて、膝を少し曲げて重心を低くします。重心が高い状態だとフットワークが遅れ、打点が不安定になります。
⚡ スイングの動作と打点のコツ
バックハンドのスイングには独特の体の使い方があります。正しいスイング動作を理解しましょう。
① テイクバック(準備):体を横に向けながら、ラケットを後ろ(利き手の逆側)に引きます。ラケット面が少し外を向いた状態でテイクバックすると、スイング時にボールを捉えやすくなります。
② インパクト(打点):体の前でボールを捉えます。打点は腰から胸の高さが理想で、このゾーンで打つと力が最も伝わりやすくなります。ラケット面を安定させてボールに当てることが最優先です。
③ フォロースルー(振り抜き):インパクト後はラケットを相手コートに向けて押し出すように振り抜きます。「打った後にラケットを止める」のではなく、打点の先まで振り続けることでボールに力と方向性が生まれます。
④ 体幹の回転を使う:フォアハンドほどではないですが、バックハンドでも体幹の回転(腰と肩の回転)を利用することでパワーアップできます。腕だけで打つのでなく、体全体を使う意識を持ちましょう。
「腕だけのバックハンド」は力が弱く不安定。体幹の回転を活用することが安定の鍵
■ フォアとバックのスイングの違い
フォアハンドとバックハンドではスイングの方向が逆になります。フォアは「内側から外側」にスイングするのに対し、バックハンドは「外側から内側・前方向」へのスイングになります。この方向の違いを意識すると、バックハンドの感覚が掴みやすくなります。
⚠️ よくある失敗パターンと改善策
失敗①:バックに来たらフォアに回り込む癖
バックハンドを避けてフォアに回り込みすぎると、相手に「バック側に打てばいい」と完全に読まれます。また回り込むための移動時間でポジションが崩れ、逆に失点のリスクが高まります。
バックに来たら「まずバックで打つ」ことを自分のルールにする。回り込みは完全に余裕がある時だけに限定する
失敗②:体が正面を向いたまま打つ(腕だけ)
体が正面を向いたまま腕だけでバックハンドを打つと、力が全く入りません。コントロールも不安定になり、ネットや浮き球になりやすいです。
バックに来たら即座に横向き(サイドスタンス)に体を向ける。「まず体を横に向ける」を最優先のルーティンにする
失敗③:打点が体より後ろになる
ボールの来るのを待って打つと、どうしても打点が体より後ろになります。後ろの打点では力が入らず、方向も定まりません。
「ボールを前で迎えに行く」意識でフットワークを使い、ボールより前に移動してから打つ
失敗④:グリップを変えずに打つ
フォアハンドのウエスタングリップのままバックハンドを打つと、面が安定せず狙ったコースに打てません。
テイクバック中にグリップを少し外向きに変える習慣をつける。グリップチェンジは「準備段階」で完了させる
失敗⑤:フォロースルーが短い(振り抜かない)
打つことに必死で、インパクト後にラケットの動きが止まってしまう選手が多いです。フォロースルーが短いとボールに力が乗らず、浅い返球になります。
「打った後に振り続ける」を意識する。ラケットが相手コートを向くくらいまで振り抜く感覚を練習する
🏆 バックハンドを武器にするための活用法
単に「返球できる」レベルから、「攻撃的なバックハンド」へと進化させるための戦術的な活用法を紹介します。
① バッククロス(相手後衛へのクロス):最も安全で精度が出やすいコースです。バックハンドで相手コートの対角線上(クロス方向)に打ちます。コートの面積が広く使えるため、安定した返球に最適です。まずこのコースをマスターすることから始めましょう。
② バックストレート(ダウンザライン):相手ネット前の前衛の背後を抜くような、ストレート方向の打球です。前衛がポーチに動いた瞬間を狙って抜くと効果的です。バックハンドのストレートを習得すると、前衛も安易にポーチに出られなくなります。
③ バックハンドのロブ:体勢が崩れた時やサービス後の攻撃を切り返す際に使います。バックハンドでロブを上げられると、相手は「バックに打てば必ずミスする」という戦術が使えなくなります。
バックハンドのクロス→ストレートへの打ち分けができると、前衛が全く動けなくなる
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🏋️ バックハンド強化のための練習メニュー
バックハンドを効率的に上達させるための練習メニューを紹介します。
壁の前でバックハンドだけを繰り返し打つ練習です。フォームを確認しながら打て、一人でもできるため練習量を増やすのに最適です。まずは「返球が壁に当たり続ける」状態を目標にし、安定してきたらコースや打点の高さを変えます。
▶ 毎日10〜15分が目標。1週間で体の感覚が変わる
練習パートナーと一対一で「バック側だけに打ってもらう」ラリー練習です。ひたすらバックハンドを繰り返し打つことで、試合では得られない圧倒的な練習量を確保できます。最初は高く山なりのボールからスタートし、徐々に低くスピードを上げていきます。
▶ 練習の最初に10分間確保する
「フォアを1球→バックを1球」と交互に打つラリー練習です。試合に近いリズムでバックハンドを使う機会を作れます。フォームの切り替えとグリップチェンジの練習にもなります。
▶ ラリー練習の中に組み込む(10分程度)
バックハンドで打てるようになったら、コースの打ち分けに取り組みます。「クロスを3球→ストレートを3球」など、意図的なコースチェンジを繰り返す練習です。この段階まで到達するとバックハンドが「武器」になります。
▶ 週に2〜3回、15分程度
サービスをバックハンドで返球する専門練習です。カットサービスはバック側に大きく跳ねることが多いため、試合でのバックレシーブの機会は非常に多いです。様々な種類のサービスに対してバックハンドで正確に返せるよう繰り返し練習します。
▶ サービス練習のセットとして組み合わせる
🏆 上級者のバックハンド技術
バックハンドの基礎が固まったら、次のステップとして上級者レベルのバックハンド技術に取り組みましょう。
バックハンドでも順回転(トップスピン)をかけて打つことで、フォアハンドと同等の威力を出せます。ラケット面を下から上にこすり上げるようにスイングし、ボールにスピンをかけます。バックハンドトップ打ちができると、相手はバック側に打つことをためらうようになります。
バックハンドのスライス(バックスピン)は低く滑るボールを打てる高度な技術です。相手の攻撃を切り返したり、ドロップショット的な短いボールを打つ場面で有効です。スライス系のバックハンドは体勢が崩れた時でも使いやすく、守備の選択肢が広がります。
❓ よくある質問Q&A
Q1
バックハンドはいつまでも苦手なままですか?
A:正しい方法で練習すれば必ず改善できます。バックハンドが永遠に苦手なままの選手はいません。多くの場合、練習量の少なさと練習方法の間違いが原因です。この記事で紹介した練習を継続すれば、3〜6ヶ月でバックハンドの安定度が大きく変わるはずです。
Q2
バックハンドでもトップ打ちはできますか?
A:できます。バックハンドトップ打ちは上級者の重要な技術です。ただし、まずはバックハンドで安定してクロスに打ち返せる基礎を作ってから取り組む順序が重要です。基礎なくトップスピンを練習しても、体の使い方が身についていないと習得が困難になります。
Q3
試合でバックハンドをうまく使えるようになるにはどうすればいいですか?
A:練習試合でバックハンドを使い続けることが重要です。練習でできることが試合でもできるようになるには、プレッシャーがかかる場面でも使い続けるメンタルが必要です。最初は練習試合で「バックに来たら絶対バックで打つ」ルールを自分に課して、徐々に実戦感覚を身につけていきましょう。
Q4
バックハンドとフォアハンドどちらを優先すべきですか?
A:初心者はフォアハンドを優先し、ある程度安定したらバックハンドに集中して取り組むのがおすすめです。バックハンドはフォアハンドの土台となる「体の回転・打点の取り方」を理解した後のほうが習得しやすいです。ただし、どこかでバックハンドに集中した練習時間を必ず作ることが上達の必須条件です。
📝 まとめ
バックハンドはソフトテニスで最も多くの選手が苦手としている技術ですが、正しいアプローチで取り組めば必ず改善できます。バックハンドを武器にした瞬間から、試合での選択肢と相手へのプレッシャーが劇的に変わります。
- バックハンドが苦手な最大の理由は「練習量の少なさ」——意識的に練習量を増やすことが第一歩
- グリップはコンチネンタル〜バックイースタンに変えてから打つ
- 「バックに来たら即座に横向き」が全ての基本
- 打点は体の前を意識し、ボールを迎えに行く足の動きが重要
- フォロースルーを止めず振り抜くことで力とコントロールが生まれる
- 壁打ち→バック限定ラリー→コース打ち分けの順で練習を進める
★ バックハンドを武器に試合を変えよう
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